2015年11月29日(日)11:00~14:20
会場:LIXIL港北ショールーム3階会議室
主催:日本ロクマルガールズ協会
協賛:株式会社LIXIL
後援:男女共同参画センター横浜

これからの60代ワークスタイルを考えるトークセッション&交流会&スリランカファッションショー。ゲストと参加者の思いが共有できました!

トークショー3名のスペシャルゲストが案内人の稲葉龍文さんのナビゲートで熱く語りました。「食」から人生を考える萬 英子さん、「からだを動かすこと」で心も元気になるという堀田由起子さん、そして、母国スリランカの経済的自立支援に尽力するスベンドリニ角地さん。職域は違っても生き方や働き方のキーワードには説得力あり。続く交流会・ファッションショーと盛り上がり全開でした。

ロクマルから若い世代へ
◇1部 ゲストと案内人の対談でトークが進みます

萬 英子さん

 株式会社みどりえオーガニクス代表取締役

みんなで日本の安全な食を支えていくために

稲葉さん:日本でオーガニックが注目を浴びたのは1974年、有吉佐和子さんの「複合汚染」が話題になったころですね。オーガニック(有機栽培)という言葉を知っていても理解している人は少なかった時代でした。それでは、萬さんのオーガニックの考え方と起業のいきさつをお話ください。

[オーガニックとの出会い]

萬さん現在52歳です。30歳まで広告代理店に勤務。30歳前に脳腫瘍を患い、そのことで食の安全に目覚めました。最初は自分自身のためのオーガニックでした。オーガニックはからだに与える影響だけでなく私の人生への影響が大きかったように想います。そしてオーガニックがライフワークとなりました。

[おいしく食べるオーガニックとは]

オーガニックでもマクロビオティック(玄米菜食)でも、特別の人のための特別の食べ物ではありません。普通の食事にならないといつまでたってもオーガニックが世に認められないと考えました。

[オーガニックを日常食に]

オールオーガニックの食事を続けることは難しいです。まずは完璧ではなくできる範囲で少しずつ始めることです。手始めは家庭で味噌汁を調理すること、加工品をなるべく使わないなど、これは日常の食卓の見直しです。

[起業してからの経営の工夫]

2001年にオーガニックレストランとテイクアウトデリの1号店をオープン。ネットショップやデパートに出品するなどの工夫もしてきました。お店の規模を大きくするよりも継続させることが大切です。現在はお店だけではなく法人向けに仕事を集中させ、デリバリーやケータリングも続けています。有機・無添加食材を作る生産者の思いやこだわりを大切にしていきたいです。

[60歳からの目標]

60歳からはやりたいことだけに挑戦したい、働き方を変えたいですね、と萬さんは話しています。インドやスリランカの食のフェアトレードをオーガニックで考えていくことも目標です。

堀田由起子さん

 母と子のサロン堀田由起子スタジオ主宰

延べ10万人以上の妊婦・赤ちゃん・お母さん・高齢者を元気に!

稲葉さん:1980年代にジェーン フォンダが火付け役となって広まったエアロビクスは有酸素運動ですね。コミュニティのなかの女性リーダーの育て方、堀田さんの長年の経験から秘訣は何でしょうか。

堀田さん

[今の活動は地域から]

私は22年間運動指導をしています。楽しいことは人に伝えたいという思いで、自宅でスタジオ開設、といっても皆でおいしいご飯を食べるのが主体です。心もからだもお腹いっぱいになります。サロンはコミュニティの場です。普段は地味に地区センター等の公的施設を使っています。

[エアロビクスとの出会い]

29歳で結婚。夫の赴任先アメリカでも趣味でエアロビクスを続けていました。昔から35歳からは自分の好きなことをすると決めていました。社宅集会場で週2回の有酸素運動。教室が日常化しました。無料講習でしたが、お金にはかえられない社宅暮らしでした。

[関わっていく人が笑顔でハッピーに]

自分のいちばん好きなことをすると情熱の炎がいつまでも消えないのです。エアロビクスは自分を助けてくれました。何があっても信念をもつことです。自分に強い意志があれば種火も消えません。さらに自分を高めていくことで人も関わりをもってくれます。お金はあとからついて来るものです。

[リーダーママの作り方]

元気なお母さんが元気な日本をつくる、を私のモットーにしています。リーダーママを探す前に、私自身のあり方が重要です。高い志をもち自分を整えることことです。私自身に共鳴してくださる方がいます。音叉の共振共鳴で、自ずと引き寄せ合う力です。リーダーになる人は笑顔で話をよく聴く方ですね。
 

[60歳からの目標]

今57歳です。60歳からの働き方の一つは、今までやってきたことをきっちりやることです。食や掃除もしっかりすることで、心もクリアになります。二つ目は、残りの人生はそう長くはないので、将来は命と関わりのある職を考えています。夫が経営指南、私は健康指導という「堀田塾」の開講です。

スベンドリニ角地さん

 ジャーナリスト

60歳になったら母国スリランカの女性たちのためにフェアトレードに取り組む!を実践中

角地さん
稲葉さん:スリランカというと日本人は貧しい国というイメージをもつ人も多いと思います。英国領土からはじまって国内紛争・混乱後、2011年の経済白書には国際的に上位にスリランカがあります。南アジアの中ではスリランカは経済的に発展している国なのです。しかし人口の25%は今も貧困層です。

[これからの時代を先読みする]

来日して30年。現在62歳。ジャーナリストとして感じることは、どのように新しくするか、イノベーションです。これからは古い価値観を壊す時代です。斬新なアイデアから新たな価値を創造しなければいけません。

[社会のためのソーシャルファッション]

人は平等でしかも自分だけのアイデンティティ(自分らしさ)をもつことが大切です。インドネシアの女性はスカーフで生き方を示し自分らしいファッションをつくっています。これからは世界を変えるアイデンティティのメッセージが重要となります。

[スリランカの縫製センター]

30年間の内戦でトリンコマリーには多くの難民が流れ貧困化が問題になっています。女性も自分でお金を稼ぐことが豊かさに繋がります。2014年には北部の女性たちと経済的自立支援プロジェクトを立ち上げました。ここを拠点にスリランカの縫製センターと日本をつなぎ、刺繍や縫製商品を提供していきます。

[アジアの市場は日本にとっても重要]

日本はアジアにものだけを売買するのでなくアジアの文化も共有すべきです。これからのビジネスは安いものを売買するのではなく10年先に残る商品を売り、社会をよくするビジネスでなければいけないのです。パートナーシップも必要です

[60歳からの働き方]

私は2人の子どもがいても仕事を頑張って続けてきました。家族や地域の助け合いも重要です。60歳からも自分がしたい仕事を続けていきます。アイデアは山ほどあります。

◆案内人:稲葉龍文さんのプロフィール

ビジネスプロデューサー。1949年生まれ、66歳。長年音楽業界でヒットを量産したプロデューサーとして名高い経歴をもつ。2001年に女子十二楽坊を中国で見出し、日本で大ブレイクさせた。その後、一般社団法人マザーニア顧問(女性支援団体)などを経て、現在は、株式会社カインドウェア事業戦略室室長。地域の活動にも参加するなど、ロクマル世代を謳歌・活動する日々である。

若いときから自分の人生を思い描いていたことで今の自分があると語る稲葉さん。3年後、5年後どうなっていくかを考えること、スタートの段階でゴールを見据えることが大切と語る。

そして若い世代とともに
◇2部 交流会〜世の中変われば「働き方」も変わる!〜

交流会60歳になったらどう働くか。8グループに分かれて交流会です。2名の現役大学生が案内役として進行しました。次世代間交流だからできたミーティングの成果で、互いが刺激を受けたひとときでした。

[ロクマル世代から]

ロクマル世代は健康第一、そして仲間作りや情報収集、学び合って皆で不足をカバーすること、そして新たな挑戦へ。

[若い世代から]

ロクマル世代の意欲や積極性に少々圧倒ぎみ。これからのロクマルに目が離せないな、との感想がありました。働き方の悩みに貴重なアドバイスをもらい司会者ながら自らを知る機会となった人もいました。また、今の大学生の無欲感を悩みつつ、この場で元気をもらったという学生からの報告も聞かれました。

◇3部 スリランカファッションショー 

ファッションショー小脇にバッグを抱えて手刺繍ブックカバー

軽快なBGMとともにスベンドリニ角地さんのナレーションでショーがスタート。トークゲストや大学生・スタッフが衣装や小物で華やかに装います。販売されている商品価格の9割がスリランカ就労支援金になるとのことでした。

[展示販売された商品]

手刺繍やビーズ刺繍の小物グッズ、スカーフ、チュニック(ポンチョ)、アクセサリー、ブックカバー、バッグ、オーガニック紅茶、等々

                ◇◇◇
世代を超えて「働く」について語り合ったサミットでした。世の中に役立つ実感をもちたい? 今だって皆、社会貢献しているのですよ! 私たちの思い描く働き方は、さらに社会の力になれる60代。そのための自分育てと自分を高めていく努力は欠かせません。