樋口さんの基調講演に続いて分科会スタート。

地域で実践している4人がテーマに沿って活動発表。参加者は関心のあるテーマに参加。具体的で熱心な質問が飛び交いました。

分科会の大きなテーマは「女性たち、思いっきり生きようじゃないか!」
進行(総括):澤岡詩野氏 公益財団法人ダイヤ高輪社会研究財団主任研究委員

澤岡氏から今日のテーマは「地域に働く場をつくろう」が基本であるとして、4つの分科会の紹介があった。

●テーマ1:地域に働く場をつくろう
地産地消の仕事をめざす。ヨタ期(80代そこそこ元気)も働ける場 
(1)教える+地域で育てるがモットーの英語塾
(2)異世代コミュニティで100歳までできる手仕事を

●テーマ2:働く女性のセカンドキャリア準備
自分の場をつくる。それぞれの人生の大きな違いを生かして

●テーマ3:高齢女子の自立って?
スマートホン、ITという武器を使って100歳まで自立の可能性を広げよう

テーマ1 地域に働く場を創ろう1)教える+地域で育てるがモットーの英語塾

●活動発表
 英学塾 代表 辻 麻里子氏

 
辻氏

〈プロフィール〉
1994年より「環境問題翻訳チーム・ガイア」を主宰。同チームで2004年より「英学塾」も開塾。

活動発表内容

翻訳の仕事をする中で、地域に目を向けた時、わが街での人と人とのつながりが希薄なことに危機感を持った。
地元で仕事をしたいという思いが深まる中、大手塾にはない、英語塾を開くことになった。きめ細かい指導やオーダーメイドの指導、コミュニケーションツールとしての英語にしたいという思いがあった。はじめは、一人から始まった生徒も口コミで広がり、現在200名を越す。塾、生徒、親、コミュニティの四者が循環して行き来する関係性もできてきた。

It takes a village.(子どもは地域で育てる。)という言葉がある。英学塾が地域の核となり、サードプレースとしての役割の場を目指している。そのため、英語だけではなくあらゆる分野の塾がほしい。そこに人生経験、ゆとり、知恵が豊富なロクマル世代がサードプレースとしての塾を運営できるのではないかと考えている。

質疑応答

・大手の塾にはない、地域だからこそできる小回りの利く素晴らしい塾だと思う。

・英語以外の塾で、どんな塾が望まれるか?
 (辻) 作文力が不足気味だと思う。論理的な文章が書けない子も多い。文章力をつける塾。算数の力をつける塾もほしい。算数の問題の読解力も不足しているのは、文章力にも通じる。

・口コミで広がったという話だが、口コミで広がるためのノウハウはあるか?
(辻) 特にノウハウというものはないが、オーダーメイドの指導をしているので、自分達のニーズに合ったものを提供してくれているという満足感があるのではないか。また、大手では満足しない人たちは、きめ細かい指導と一生懸命している姿勢を望んでいるのではないかと思う。

・場所をどのように確保したのか?
(辻) 場所の確保は難しい問題だと思うが、英学塾の場合、翻訳事務所が先にあり、そこで始めた。

地域に働く場を創ろう 2)異世代コミュニティで、100歳までできる手仕事を

●活動発表
 BABAlab代表 桑原 静氏

 
桑原氏
〈プロフィール〉
シニアのコミュニティや働き方に興味があり、2011年「BABAlab(ばばらぼ)」事業をスタート。「年をとってできないことは増えるけど、できることがある」を信じて、シニアの活躍の機会をつくっている。

活動発表内容

2011年12月に工房を立ち上げ8年。祖母の住む地域で働く場をつくろうとしたのがきっかけで、地域の空き家を利用し、年金+αになることを考える。

では何をやるか?保育所、コミュニティカフェ…得意の裁縫を活かして手作りの物作りで収入を得ようと考える。

では何をつくるか?作れないかもしれないけれど、ほしいものは何か。様々な試作を経る中、孫育てに便利な物、ということに。メモリの見やすい哺乳瓶、使いやすい抱っこ紐、抱っこ布団などが生まれる。

信用を得て、人をどう集めるか、また商品を知ってもらうか、高齢者だけでなく子連れママも、多世代が参加できるようにした。どう働くかにも工夫を凝らす。

ポイントは
1)曜日を限ってオープンする。週2~3回、3~4時間。金曜日はまかないの日(メニューはカレー)でコミュニケーションをとり、スタッフの家庭の事情を共有。

2)子連れ、夫連れも可能。

3)超ワークシェアリング。作る工程を細かくし、高齢などでそれまでやれたことができなくなっても、できる仕事がある状態に。1カ月払いで500円~多い人は10万円になることも。それぞれのペースで使い方もそれぞれ。夫にビールのお土産から、ミシンを買ってスキルアップまで。

4)スタッフ募集も若い人ばかりにならないよう、バランスを取りながら。
裁縫が苦手な人は修行も。出入り自由。その分、管理は大変とのこと。

質疑応答

・コミュニティー活動をやりたいが、ボランティアかお金にしていくかについて
 (桑原) ボランティアでは事業化はできない。お金にしていく事業グループと分ける。

・多世代で働くことについて
 (桑原)バランスが崩れないように、世代別に募集をしている。

・場所は?
 (桑原)名刺、イメージ写真を作り、アピール。スタッフ募集と空き家募集をした。
 公民館で手芸教室を開いたりした。最初、空き家におばあさんが出入りしている、などうわさされた。大家さんの協力も得る。地域新聞や、NHK埼玉で取り上げられ、知られるようになった。

・マネージメントは何人で?
 40代が4人でシフト。週3回、10時~16時。   

定年前女子のためのロクマルまでの準備

●活動発表
株式会社Next Story 代表取締役 西村美奈子氏

西村氏

「もやもやをワクワクに!」
働く女性のセカンドキャリア準備

〈プロフィール〉
2016年から昭和女子大現代ビジネス研究所の研究員として「マチュア世代の働く女性のセカンドキャリア」をテーマに研究活動を開始。2017年にグループ企業を早期退職し、2018年12月にセカンドキャリア支援会社を設立。

活動発表内容

・生涯現役時代に向けての準備は早い段階から。出来れば40代から。

・均等法から30年、スーパースターではなく普通にコツコツ働いてきた女性たちが定年を迎える。この人たちは仕事の醍醐味を知っている。

・女性の定年後の働き方は、男性よりも「生きがい就労」を求める傾向が強い。定年の喪失感が大きい。

・定年を意識するようになるともやもやとした不安を覚える。お金のこと、親の介護のこと。定年後ってどんな生活?などなど。

・もやもやとした不安を解消してワクワクにするためには、知る、描く、設計することが大事。

・知る → 1)現実を知る → 2)自分を知る 3)経済状態を知る
1)現実を知る:定年後の女性に会社に残って欲しいか残って欲しくないか。会社の本音は5対5。また転職した場合10年間は働いてほしいと考えている(西村さんのアンケート調査)

2)自分を知る:ジョハリの窓から、 知人が知っていて自分が知らない自分(盲点の窓)役割の変化。ありたい自分とは?

3)経済状態を知る:自分の経済状態と向き合う(キャッシュフローを見える化)
・設計はSMARTに⇒S(具体的)Ⅿ(測定できる)A(達成可能な)R(合理的)T(期限)

・人生の終わりに気づく後悔。後悔しないためには自分らしく生きる

質疑応答

・もやもやした気持ちをもう少し詳しく

(西村)自分が40代後半で定年のことを考え始めた時、もやもやとした不安が広がった。しかし相談したり、お手本にするような先輩女性社員はいなかった。ロールモデルがないことで不安が大きくなった経験から、これから定年を考える働く女性たちの悩みを共有し、解決のヒントになればとサイトを立ち上げた。
※マチュア世代の働く女性のためのセカンドキャリア支援会社を設立。 「もやもやをワクワクに!」

高齢女子の自立って?

●活動発表
プログラミングママ代表 境 潤子氏

境氏

IT使って、「100歳まで自立」の可能性を拡げよう!

〈プロフィール〉
幼児・小学生を対象にプログラミングワークショップ「プログラミングママ」を主宰する。老後の生活の中で必要とされることを、アナログ・デジタル両面でプログラミングしていきたい。

活動発表内容

1)デジタルの活用
QRコード、WIFI、ランニングコスト、セキュリティーなどを覚える。
常にウィルス防止のためにアップデートを。

2)デジタルの欠点を知っておこう
アンケートなどに答えると個人データーが使い回される恐れがある。
日にちや内容をメモしておく。パスワードの使い続けは危険。万が一のことを考えてバックアップは常に心がける。

3)キャッシュレスの時代
電子マネー、クレジットカード、QRコードで読み取る。現金が不要になる。
界的に見ても中国や韓国は小さな買い物もキャッシュレスが主流。外国では現金を持ち歩くより安全。キャッシュレスに関して日本は後進国といえる。これからはキャッシュレスのしくみを理解して怖がらずに活用していくことも必要。

高齢者は、最低限携帯電話でこんなことが出来ることを知っておくこと!
・メール(文字入力、音声入力) ・LINE(家族同士の連絡) ・カメラ(記録用)
無くしてしまった時の対応!(来た道を戻る、電話を借りて自分の携帯へ電話をするなど)

インターネットには縁がない、パソコンは使わないと言う前にまずは関わりをもつことが大事。

分科会の進行と総括は澤岡詩野さん(公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 主任研究員)。専門分野は老年社会学。友人未満のゆるやかな人間関係、家庭や職場につづく3つ目の居場所など、高齢期を豊かに過ごすためのつながりについて研究しています。

総括

澤岡氏
進行(総括):澤岡詩野氏 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団主任研究委員

分科会終了後に各分科会での話の内容・気づき・聞きたかったこと・ヒントなどを共有する場として分科会ごとの発表があった。

◆テーマ1 地域に働く場を創ろう(1)(英学塾 辻麻里子氏)

発表内容

もともとは翻訳の仕事をしていたが環境問題に関心を持った。そのなかで、物と物とのつながり見えてきた。人と人とのつながりをめざして英学塾を開く。
英学塾に来る子供、その子供についてくる大人たち、そこの地域の人たち、こういった繋がりを自分たちで作りたかった。サード・プレイスとして、ロクマル世代を核にして塾としてもっともっとやっていけるのではないか。

澤岡さんコメント
子供の学び居場所づくり、ロクマルが教える場として関わる事で地域循環となる。

◆テーマ1 地域に働く場をつくろう(2)(BAbAlab桑原静氏)

発表内容

地域で何かやっていたいとみんな思っている。手芸好きの自分のおばあさんの働く場を作りたいという思いでなくなっても、[BABAlab]事業をはじめた。ババラボグッズは「働きたいけど働く場がないのよ」という人の得意な裁縫を生かした袋を売った。実際やってみると売れない。人にあげる程度の物は売れないということが解った。

ミシンをかける人、チラシを作る人、まく人、今は仕事が出来ている人も、出来なくなっていく人もいる。作業を細かく分けることで、若い人から年寄りまでいろいろな立場の人たちが、能力に応じて働ける場を作りたかった。週3回ぐらい働く、日を限るなど働きやすくするための仕事日数も工夫している。

澤岡さんコメント

ロクマル、ナナマル、夫連れ、子連れでも参加できる。ロクマル・ナナマルが輝くヒントになる。夫連れというのもいい。

◆テーマ2 定年前女子のためのロクマルまでの準備(Next Story西村奈美子氏)

発表内容

均等法から30年、男性と伍して働いてきて定年を迎える。何かしないといけないと思っている人は多い。現状をよく見つめて知ること、自分を厳しい目で見ることが大事。

澤岡さんコメント

現実逃避よりもヨンマル、ゴーマルから現実をしっかり把握していくことが大事。

◆テーマ3 高齢女子の自立って?(プログラミングママ 酒井潤子氏)

発表内容

パスワードの使い回しはしないなど、パスワードの管理方法を教えてもらえたのは良かった。これからはキャッシュレスの世界になる。したがって現金決算もない時代に。音声入力が良い・普段使う事が緊急事態に役立つなどの注意もあった。
大人向けのプログラミングは「もくもく会」があるので検索するとよいとのこと。

澤岡さんコメント

学校の先生にプログラミングが教えられるか? 大人向けプログラミング教室を作ってシニアにプログラミングを学んでもらい、そのsニアが学校で子供に教えるというのはどうか。塾は高いし、入れる子と入れない子がいる。今年から小学校でプログラミングが始まる。何とかしないといけないのではないか

総評:澤岡さん

・ロクマルには多様・多彩なメンバーがいる。みんなでその種を提供できる。明日今日にでも大きな一歩踏み出してほしい。

・プロダクティビティ(生産性)という考え方が必要。自己完結ではない、自分だけ楽しかったではない、経験を生かして世代間のシェアができるかを考える。
今まで出来た事が出来なくなる、寝たきりになっても他者のためにシェアしながら、「最後までプロダクティビティ(生産性)をめざす」をロクマルから発信するといい。

・シニアの人口が最大ボリュームになる時代が来る(樋口恵子氏)と言われたが、ジェネラティビティという世代間の発想が必要。

ロクマルで地域の子供たちに勉強を教える → シニアから力をもらった子が成長して大人になる → その大人たちがまた地域の子供たちに対していい関係を築いていく → その大人たちが子供を持つ → 地域につながっていく
20~30年かけて世代間の循環が出来てくる。他の世代に、何か力を発信することで、価値を変ていく大きな力になる。