私たちは、自分の力を生かし柔軟に働く60代をロクマル、その前の段階の50代をプレロクマルとネーミングしています。
ロクマル(60代)世代の体力はかつてより10歳若いといわれています。子どもが巣立ち、家計のためにアクセク働くことからもやっと解放される、人生最高の時期でもあります。
自分の新たな活かし方、可能性を発見し、これまで、やりたくてもできなかった「働き・仕事」に挑戦しようではありませんか。
ロクマルのテーマは、「人に喜んでもらえる仕事、役に立つ仕事、これまでのキャリアを活かせる働き…。 60歳からは、仕事を通して、心豊かな人生を送ろう」です。
ロクマル、プレロクマル世代の人たちに、「自分に合った働き方」や「新たな働き方」を見つけてもらう場として、活動を続けています。
横浜市の調査では、中高年も含めて60歳以降の就業ニーズは、45~74歳までの男性で85.4%、女性の56.5%が「働きたい」と答えています。働きたい理由は、年金制度や介護費用の見直しなど経済的理由も大きく、また生きがいや健康維持も含めた「働くニーズ」は今後、さらに高まっていくことが考えられます。
ロクマル世代の中でも特に女性の場合、子育てや介護、家庭の様々な事情で思うように働く経験を積んで来られなかった人も多いことから、当初は、55歳以上の女性が自らの働き方を考え、行動する組織を目指して任意の団体を設立しました。
60代からの働き方セミナーや交流会の開催を重ねるごとに、参加者全員の自己紹介タイムを設けたことで、この年代からの「働く」についてのさまざまな要望が寄せられました。
それらを踏まえて、男性参加、またロクマル準備段階の40代後半から50代前半の参加など、性別を超え、世代の幅を持たせたところで、60歳前後以降の人たちに、「自分に合った働き方」や「新たな働き方」を見つけてもらう場として、活動を続けています。
60代以降の働き方は、若年・中年世代とは異なり、「自分らしさ、生きがい、適度な働き方」などが求められます。また多様化する中高年からの人生設計に合わせた働き方が求められています。
一方、求人側のニーズを厚生労働省の調査で見ると、60歳以上の雇用を増やす意向の会社が求めているのは「経験・能力を活用」です。
たとえ労働の経験値が低い主婦であっても、子育てや介護経験、まじめな働きぶりなどを強みとすることで、働きの場に切り込める機会が存在します。
またこれまでの仕事人生で培われたキャリアを多彩なかたちで活用するすべを自分なりに発見していこうとする人々の姿もみられます。
わたしたちは、これまでシニアが思い描く働き方・生き方が実現できる地域社会づくりを目指し以下の活動に取り組んできました。
1) ロクマルの自分らしい働きの発見の場:
セミナーや参加者同士・先輩起業者との交流を通じ、働きや起業に踏み出すきっかけを提供。
2) ロクマルからの人生設計に必要な知識を学ぶ場:
就業や起業の知識講座のほか、ロクマルからのライフスタイルを学ぶ。
3) ロクマル世代の力を必要とする地域企業・団体等との出会いの場:
地元企業と働きたいロクマル世代のマッチングの場を提供。
労働意欲のあるシニアが熟年だからこその経験・個性・力を発揮し、地域社会での「働き手」となっていく取り組みが定着することで、60代以上のワークスタイルに対する意識や、これらの受け皿候補とされる地元中小企業や団体の意識に少しずつ変化が生まれます。
人生経験豊富なシニアが社会で活躍することで、地域社会に潤いがもたらされることでしょう。
最後に
●ロクマルの活動、そもそものきっかけは、60代女性の調理チームを結成したことから
食は、地域住民をつなぐ強力なテーマです。ロクマルで今後取り組んでいく「多世代交流」の場にも欠かせません。
60代の調理チームが生まれたことがきっかけとなり、「60代からの食の仕事」をテーマにしたセミナーを開催したことが、その後、職種は問わず「60代からの働き方を考えカタチにする」ロクマルの活動へと発展しました。
食の取り組みは、地域のシニアたちが、能力を発揮できる場であり、さらにロクマルと多世代をつなぐ重要な役割を担っていくことになります。
仕事を通して心豊かに過ごすシニアと異世代との交流を進め、「素敵に年を重ねていく」姿を見せることで、将来に希望の持てない若い世代に、生き働く意欲を持ってもらいたい。もし実現できたら、ロクマル世代にとっては、このうえない、やりがいとなることでしょう。