2015年4月2日(木)10:30〜13:30
主催:日本ロクマルガールズ協会
会場:みんなのキッチン
桜満開のおだやかな春のサミットでした。
精進料理との出会いから精進料理への思い、そして、天職を見つけたと言い切る姉妹の人生観など、私たちロクマル世代に気付きとこれからの働き方のヒントを投げかけてくださった暁美さんと五月さん。自然体のお二人がステキです。
園部暁美さん(66歳)、中園五月さん(63歳)
二人だから続けられたこと
姉妹で開く精進料理教室が地域の仲間や若いママたちに好評です。
みんなで作ってお話しながらの教室も7年目に。参加者1人、2人から出発した始めた頃の赤字生活も二人だから乗り越えられたと語る姉妹。
2013年、都内を離れて茅ヶ崎に拠点を移し、ますます賑やかに広がりをみせています。
トーク&調理実習がスタートです
調理実習形式はロクマルサミットで初めての試み。
わかってもらうには、まずは一緒に作ってもらうこと。
みんなで楽しく料理をすることが姉妹の喜びです。
スライドを使って教室風景のご紹介も。
トークのあとはキッチンで実習!
お二人の精進料理との出会いは
五月さん:
17年前にママ友が精進料理を教えてくれたこと。精進生活がからだと心にすっぽり入り込んで、自分をあたたかく守ってくれる「神さま」。何か不安を感じていて、わからなくなっていた人生に筋をとおしてくれる予感が。
暁美さん:
精進料理は妹の五月さんから誘われて「やってみたいな」。1年間二人で精進生活を続けてみて自分の中ですっきりとするものがありました。以前から、動物を食べることに違和感をもっていたこともありましたから。
姉妹が考える精進料理って?
からだにも心にもやさしい精進料理は、菜食主義とも異なり、仏教の教え、特に「殺生」や「いのち」についてあらためて考え直すための料理といえます。
姉妹が精進料理で使わない食材は、肉や魚、五葷といわれる臭いの強い野菜(ねぎ、にんにく、にら、らっきょう、あさつき)、そして酒。使ってもよい食材は、無精卵、牛乳や乳製品、砂糖など。これら厳しい制約は仏教の殺生を禁じる考えなのです。
初のレシピ本「おばあちゃんの精進おかず」発売
10年、20年先に本が出せたらいいねという夢がいま実現!
2015年2月、初のレシピ本ができました。
そして増刷。
さらに世界40か国への電子本決定。
テレビデビユーも。
将来の夢は、伝えたい精進料理で「世界の平和づくりの種まき」
攻撃しない食材を食べてなごんだ雰囲気づくりを。
みんなが幸せになれる精進料理の気持ちを伝えながら、人が集まることでさらに広がりをつくっていけたらね。
続けたことで今がある、精進料理は死ぬまでやっていける仕事です。
トークのあとは調理実習スタート!
手作りレシピは暁美さんの描いたイラスト入り
家にある食材で簡単にできる精進料理です。
いつもの身近な材料も精進的に見方を変えると
知らないことばかり。
調理の基本にも新しい発見が。
食材を粗末にしないこと、旬の食材はおいしいだけでなく
農薬の量も少ないのではと。
本日の実習メニューは子どもたちにも作ってあげたい!
○精進ハンバーガー2種
○フライドポテト
○ミネストローネ
*フィッシュ風バーガー
海苔の上におからとすりおろしたじゃがいもをのせ、衣とパン粉をつけてカラッと揚げましょう。おいしい白身魚のもどき料理です。
*てり焼きバーガー
から揚げ用大豆たんぱく(グルテン)を水で戻して下味付け。片栗粉をまぶしてカラッと揚げると鶏肉の味に。
材料チェックは万全。姉妹が育てた野菜たちも登場です
キッチンでの姉妹の掛け合いも見事です。姉妹っていいですね。畑で育てた菜の花、せり、ルッコラ、フェンネルは最後にお皿に盛りつけましょう。
さすが家事のプロ。参加者たちの手際の良い動き
みんなでテキパキと手作業をこなし、情報交換も賑やかに楽しそう。おしゃべりしながら盛り上がるキッチン風景です。暁美さんのお話も真剣に聞く!
五月さんは揚げ物担当。人生論も飛び出します
揚げ物は難しい。いじりまわさない! 料理って人生と同じ。「待つのが大事」。まわりがきつね色になるまでじっと待ってからひっくり返すの。お姉ちゃんに教わった!
暁美さんはさすがしっかりお姉さん。調理の基本も厳しく伝授
*フライドポテト
じゃがいもは芽だけを除き皮付きのままカラッと揚げるの。皮は香ばしいし捨てるのはもったいない。食材を大切に。
*ミネストローネ
野菜のアクや泡も旨味のうち。野菜のだしだけでおいしいスープに。野菜はくずれるほどに煮込むとおいしいよ。
おいしいランチ会のあとはサミット恒例の「みんなでトーク」
40歳代から60代の参加者が自己紹介と今の思いを語り合い。人それぞれ考え方は違うけど、60歳からの仕事に対する期待や不安など、同年代がかかえている漠然とした思いや夢を共有できたひとときでした。
参加者の声に興味津々? 「自分にもまだ何かできるはず」
*60歳になってこれからどうなっていくのか見えない今。
*早期退職して手作り生活を楽しんでいるけれど、このままでいいのかな。
*長年働いて定年退職。でも社会とつながっていたいよね。
*親を看取って、次は何をするの?
*専業主婦で家事はプロ。でもなにかあせりが。張りあいがほしいのよ。
*今は充実して働いているけれど体力的に心配。新たな仕事を夢見る私。
最後に姉妹がインパクトのある一言をさらりと!
・試練は乗り越えられる力があるから与えられたもの。
・人生って一生懸命取り組むと何かが起きて次が見えてくる。
・目標と希望があれば頑張れるかな。60歳でまさかこんな新たな展開で幅が広がるとは。
・好きなことをやるのは楽だけど成長しない。得意なことは存分に楽しみたいけれど。苦手なことも人生の勉強。無駄はないと。
☆☆☆
ロクマル世代でない方も、60歳後半という女性たちにとっても築き合える交流の場になった今回のサミットです。参加された皆さんの夢は人それぞれだけど、自分を発見するきっかけを投げかけられたのでは。
多くの気付きを得て、きょうから頑張ろうという気持ちに。私たちのこれからの働き方は? 歩んでいく道は?