2020年11月21日(土)

講師・中小企業診断士 為崎緑さん
体験談・今川貞治さん、みわさん (一般社団法人カノンパートナーズ主幸)

『一般社団法人カノンパートナーズ』の主な事業内容
健康寿命アップ体操教室・健康セミナーの開催・介護予防事業・スポーツ教室、介護予防イベントの企画と講師派遣、健康および介護連携コンサルタントとして幅広く活動中。現在、東京都小金井市や川崎市、また企業のOB向けセミナーなど各地にて、イベントやセミナーを開催している。

中小企業診断士の為崎緑さんより、体験談を聞くポイント

誰とどのような事業を行うのか

事業を行う上で同じ思いを共有できる大切なパートナー選びについて。

1)1人で始めるか、誰かと一緒に行うのか。それにより誰が最終的な責任を負うのか、出資金の配分などを明確にしておくことにより、途中で抜ける人が出てきた場合の対応を検討し、トラブルを防ぐ事ができる。

2)個人事業にするか、法人化するのかによるメリットと留意点について

3)地域でつながるためのネットワークの構築について

安定した事業継続のための収入確保の方法について

1)行政に助成金を申請する
2)国の委託事業を請け負う
3)民間助成金を活用する
4)指定管理者制度の利用
5)また、社会貢献が趣旨で利用者から集金できない場合、賛同者から資金を募るクラウドファンディングを行うなど、目的に沿った収益が確保できる事業を考慮する方法がある

夢を形にして事業化するまで

健康福祉増進事業を起こそうと思ったきっかけは?

(貞治さん)早期退職後、制度を利用して介護関係の勉強をしていたが、自分の両親を入れたいと思える様な施設や事業が無かった事から、様々なことを調べているうちに自分で介護を変えようと思った。

もう一つには今のシニアは元気な人が多く、アクティブシニア世代前の人たちからをターゲットに健康で生き生きと過ごせる事業を行おうと思った。

どのような活動をしているのか

実際に行っている健康寿命アップ体操教室の様子をビデオで紹介。参加者の生き生きした表情や楽しそうな様子が伝わってきた。

始める上で、パートナーである奥様のご意見は?

(みわさん)夫は長年企業に勤めていて事業などやった事が無いのに?と驚いた。シニア向けの体操は、好きな事、やりたいことではあったが、事業としてやっていけるのかが不安だった。

協働するためのパートナー選びと役割分担について

貞治さん →全体の統括と各所への営業活動および参加者の和やかな雰囲気づくりを担当している。(介護予防運動指導員・認トレ普及員・福祉用具相談員)

みわさん →自身の経歴を生かし教室での指導を行う。(体育短期大学卒・チェアヨガ指導員・健康運動実践指導者)

看護師さん →資格と経験を生かし、わかりやすく説得力のある伝え方で参加者の指導や相談を行っている。 (看護師・上級ケア専門士・認知症実践者研修・福祉用具相談員)

販路開拓のために行ったこと

(貞治さん)人脈を広げるために、公共の集まりなどにも積極的に出かけた。ロクマルの有澤さんにも都筑区のシンポジウムで知り合い、他にも様々な人々との出会いが事業の幅を広げてくれた。いろいろな人と会うのは楽しいし、また人脈づくりは大切なことだと思う。

夫婦協働のメリットとデメリットまた、継続の秘訣とは?

(貞治さん)妻の方が我慢しているんじゃないかなぁ(笑)

(みわさん)第三者がいる事で頭を切り替え、個人対個人として接することができ、夫を仕事のパートナーとして接することができる。3人のうち誰かがフォローする関係性ができている。

(貞治さん)情報の共有と家事の共有が大切だと思う。

(みわさん)夫にもできる事はしてもらうし、忙しい時は外食やテイクアウトを利用する。ただ、夫婦でずっと一緒にいると、自分の時間が欲しくなる時がありますね。

今後の展望について

(貞治さん)3年後を目安に台湾に出店したいと思う。また、後継者を育てて『社会みんなが健康でいられる身体づくり』をしていくことが夢です。生ピアノ演奏による体操教室など、ほかとの差別化を図ることも計画中です。

(みわさん)日本人は、自分の身体を健康にするために投資するという考え方の意識がまだ低いと思う。そのためにも、お金を貰えることに見合うクオリティの高い技術を提供していきたいと思います。

まとめ(中小企業診断士為崎さん)

夫の退職後の夫婦の取り組み方と、今川さんの起業につなげるパワーが素晴らしいと思う。

パートナーである妻の経歴が、スキルアップして生かすことが出来たことも良かったですね。夫婦で事業の趣旨をよく理解できることと、お互いの役割分担がはっきりしているため、協力し合うことができるのが、起業と継続の秘訣だと思います。

講座に参加しての感想

夫婦だからこそ協力し合える部分と、難しいところもあるのではないかと思っていましたが、1人よりも協力してくれる複数のパートナーがいる事で、できることが広がっていくという事が、実例を通して理解することが出来たように思います。

今川貞治さんが、「参加者の方から、『転びそうになった時に体操をしているおかげでバランスが取れて転ばなかった』という話を聞いたとき、役に立って良かったと思います。」と笑顔で話されていたのが印象的でした。今後のご活躍を応援したいと思います。