2020年10月31日(土)
講師の波柴純子さんはシングルマザーを経験後、フリーのファイナンシャルプランナーとしてご活躍されている。現在は二児の母親。2018年よりライフドック横浜に参加。ライフドックとは人生の長い航海のメンテナンスの場、新たなエネルギーを得る場としてとして名づけられ、生き方、働き方のワークショップを行っている。
今回の講座ではSDGsとシニアの働き方、シニアの働き方が未来に与える影響という二つの観点でお話を伺った。
SDGsとシニアの働き方
SDGsで8番目の「働きがいも経済効果も」の背景には開発途上国では仕事口がなく、低賃金で危険、不当に安い賃金などの問題がある。先進国であっても日本では男女の賃金格差、長時間労働、正規、非正規の雇用の待遇差、働き手の減少、労働の効率の悪さが指摘され、多様な働き方が求められている。単に雇用を創出するだけでは解決できない問題がある。
これらの問題を考える上でディーセントワーク、人口ボーナス期とオーナス期という二つの視点がある。
ディーセントワーク: ILO(国際労働機関)の目標で「働きがいのある人間らしい仕事」を指し、権利が保障されている、自分らしさを守れる働き方のこと。
人口ボーナス期から人口オーナス(負担)期:働く人口が働けない人口より多い人口ボーナス期にはフルタイム、残業が当たり前、しかしオーナス期では短時間しか働けない人を活用する時代になると言われている。
多様な人々の人権を守り、公平に働くことの取り組みは広がっている。SDGsは「誰一人取り残さない」ことを目指していて、働き方改革に関連している。
一方、人生100年時代のライフサイクルは、今までは3ステージ制 (22歳まで教育 65歳まで仕事 80歳までが老後)からマルチステージ制(22歳まで教育 80歳までいろいろなことをしながら 100歳までが老後)80歳まで働くことがスタンダードになってきている。70歳以降も収入を得るために働きたい人が多くなっている。働くことは家計と守ると同時に経済活動も活性化する。また若い人、高齢者もやりがいのある仕事を望んでいる。
シニアの働き方が未来に与える影響
三つの観点があり、一つ目は60歳以降にかかる生活費が平均30万円を超える。退職後から年金支給までは貯金を取り崩すほかなく、可処分所得の差が3万円近くになる。消費活動を通じて社会を活性化する分が減ることになる。
二つ目は健康増大にも効果があり医療費の抑制にもなっていることで、将来のADL(日常生活の動作やコミュニケーションなどに必要な能力)障害も抑制し、介護負担も抑える効果がある(ADLはボランティア活動でも効果がある)。
そして三つ目は何人で高齢者を支えるか 2020年ですでに18歳~64歳の2人で1人を支える状況、2050年には1.3人で1人という試算。しかし18歳から74歳までが支え手になると、2020年には5人で1人、2050年は2.4人で1人となる。
シニアの働き方も自分の都合の良い時間に働くパートタイムのニーズが高い。
シニアの働き方は家計、社会、次世代に影響がある。そしてシニアが快適に働ける時代はみんなに優しい。育児、介護、男性にも得意を生かせる職場といえる。
長い航海に向けて
今ある仕事の49%はいずれAIに代替される仕事といわれている。例えば女性は様々なことを同時にこなせるマルチタスク能力、コミュニケーション能力が高いと言われるが、自分にどんな付加価値があるのか、AIにできないことも視野に入れていく必要がある。
人生100年時代に必要な資産は、貯蓄など有形の資産だけではやっていけない
無形の資産、「生産性資産」 個人のスキル、「活力資産」 健康 ストレスレス 自己再生の友人関係など、「変身資産」 決めつけない ネットワーク、未知の経験に開かれた姿勢 コロナだったらどんな働き方ができるのか。
反対に負債には、有形負債はローンなどだが、無形の負債は健康、ネットワーク、過去のスキル、知識、経験に固執過ぎることといえる。無形の資産を増やすことでディーセントワークに出会いやすくなる!
SDGsは2030年目標だが今から72時間以内にできることを考えてみる!
Out put 書き留める。実際にできそうなことをイメージする。
行動、意識変化を起こそう!
SDGsとシニアの生き方がすべての世代につながることがよく理解できた。
苦しい!ではなく生きがいを持っていく、意識の変化でエネルギーチャージ!納得できた。