必修講座Ⅱ-1 2021年10月30日 
講師 二見忍さん(キャリアコンサルタント)

この講座に、受講生として参加しました。その感想とともに、レポートします。

なぜ働くのか、一度立ち止まって考えてみましょう

はて、この問いに今まで向き合ったことがあっただろうか?

講師・二見さんからの問いかけに、受講生からは「経済」、「社会、人とのつながり」、「居場所」、「社会の中での役割を持つ」などのキーワードが出された。

“自分の中で何が一番大事なのか?” 優先順位を考えることが大事だという。

雇用されて働く場合にどう働くのか

個人契約や非正規の働き方など、雇用形態、職種が変化する昨今。自分のスキルがこれから先も有効かなどを吟味し、どこまで条件的に許容できるのかを考えてみよう。ここでも優先順位が大事なのだ。

やりたいこと、やれることがわかっても社会のニーズがなければ仕事につながらない。

ニーズがなければ自分で起業するのか、またはボランティアでもやりたいことなのか、など、働き方の方向性が変わってくる。

やりたいこと、やれることを振り返ってみよう

今回の講座では、「キャリアの棚卸シート」に職歴やライフキャリアを書き込むよう、事前に宿題が出されていた。シートをもとに、自分のキャリアを語る話し手と聞き手役の二人がペアになり、質疑を行った。

まず、話し手が仕事や人生の転機になったことなどを語り、次に聞き手がどう感じたかを相手に伝える。次に、もう一度話し手が、感想コメントを踏まえて感じたことを話す。
他の受講生が見守るなか、3組がこのセッションを行った。

初めて聞く相手のキャリアにも、発見や共感を覚えることが多かったようだ。

キャリアシートづくりは初めての体験だったが、振り返ってみるといろいろな発見があった。
二見さんによれば、書いただけではダメで、人に話すことによって、その時の気持ちややりたかったことを思い出すという。嫌なこともわくわくしたことも、人に聞いてもらうことで自己肯定感を高め、前向きに進めるようになるそうだ。

将来の自分を描いてみよう

自分の近い将来にこうありたいと思う姿について、仕事やプライベートを書き出してみるワークがあった。

1年後、2年後、…10年後の姿は?

将来をイメージして、「将来年表」に記入してみることで、具体的な次の一歩が見えてくる。

受講生のなかには、今回のワークを通して若いころの志を思い出し、今の自分に合った形の資格として臨床心理士の勉強を始める人がいた。
また、すでに5年計画を立てていて、65歳以上のキャリアにつなげたいという人も。

このほか、3年後のキャリアアップを目指す、資格を取る、副業する、5年後にカウンセラーとして仕事ができたらなど、それぞれの夢が語られた。

将来年表をもとにアクションプランを立てよう

数年先の自分を想像しながら、将来年表にプランを書き込む。

今の自分に足りないものがあるから、回り道だが勉強しよう。あるいは、今の自分は十分持っているものがあるので、それをすぐ生かして目標に向かおう、など様々なプランが立てられる。

一年後、進捗状況を見て修正をかけたり、ずらしたりしながら先のことを考えることができる。

現実に戻って、本当に仕事はあるの?

棚卸シートで確認したことと求人情報のすり合わせをしよう。働きたい場所がなければ、自分で場を作る。一人でなく仲間と一緒に作っていくのもいいだろう。働くことが、この先色々変わっていく。そこに柔軟に対応していく必要がある。年は取っても、強化するところは強化し、社会の中で自分の居場所を見つけていきたいものだ。

まずは、求人情報を手当たり次第に見て今どういうものが求められているのか、どういう人材を会社は欲しがっているのかを知る。

前に進むには、今考えていることを行動に落とし込んでいくこと。達成可能な目標を立てるとよい。

やりたいことがあったら、周りの人に発信していくのもおすすめだ。あちこちに発信しておくことで、情報は集まりやすい。「自分が動くと風がおきて自分の方に人も寄ってくるし、情報も寄ってくると」いう言葉が心に残った。

いきなり大きな目標ではなく、小さなステップでよい。今日これがやれた、明日はこれという風に少しずつ階段を上がるように。

最後に、各種相談窓口 ―シニアジョブスタイル・かながわ、ハローワーク各所にある「生涯現役窓口」などが紹介された。

神奈川県産業労働局「中高年齢者のための就業支援ガイド 2021」は、職業相談からスキルを身につけるための公的制度など、幅広い情報が網羅されているので、大変参考になるそうだ。

筆者感想

“なぜ働くのか?”-中高齢の私たちだからこそ、立ち止まって考える必要がある問いかけだった。

できればやりがいのある仕事に就けるのがいいが、身体や環境いろいろなことを加味しながら選択しなければならない。本当に大切にしたいものは何かしっかり押さえておく必要があるとあらためて思った。

仕事を求めるときに、自分をよく知って方向を定めていく方法をわかりやすく説明して下さり、キャリアの棚卸シートや将来年表のワークなどを通して具体的に考えることができた。

参加者のこれまでの経験についてのお話や、意見なども聞くことができてよかった。

仕事だけでなく、今後の人生を考える上にも役に立つと思う。