選択講座Ⅰ 2021年12月11日・12月18日
講師 星野正則さん(NPO法人知源ネット理事長)
講師はNPO法人知源ネット理事長の星野正則さん。元公務員で、地域の活性化に貢献したいという思いからNPOを立ち上げ、セミナーや相談支援活動を行うなど、中小企業や起業者の応援をされている。
人生100年時代を生きるとは?
令和3年に発表された平均寿命は、男性81.64歳女性87.74歳。共に過去最高を記録した。若年層の比率は下がり、高齢者の比率は上がっていく。寿命が延びることによって、必要生活費が増加する。しかし年金は下がり、保険料は増加。生活は厳しさを増していく。
そこで人生100年時代ならではの取り組みが必要となってくる。
リンダ・クラットンの著書『ライフシフト』によると、今までのキャリア形成は、①教育・学習②就職③引退という3つのステージだった。しかしこれからは、学び直しや独立起業などのマルチなステージを生き抜く覚悟が必要だと提唱している。
そのためには、“分かち合う”という価値観への転換が不可欠となる。それが共生社会を実現することにつながっていく。
やさしさで成り立つ社会の実現のためには、受けた恩をその人に返さないといけないという不安と恐れから離れて、受けた恩は別の人に送るという『恩送り』の発想が必要だ。心に決めれば受け取りやすくなるはずだ。
起業へ向けての第一歩
まずは、持続可能な社会につながるスモールビジネスを共生社会との関連付けで考えられないか、という視点を持とう。
では、なぜ3万円なのか。
シニアにとっては失敗しても、この金額ならダメージを受けにくい。成功したら大変貴重な3万円となる。
たかが3万円。されど3万円である。出来ない言い訳をさせない、ノーリスクのチャレンジをするための手法なのだ。
ワークショップの様子
ゲーム感覚で3bizシートに事業プランを記載していき、発表した。
出されたプランは以下の通り。
Yさん ・本来の自分に戻る「ビオダンサ」・・・生命のダンスといわれる“ビオダンサ”の普及
Kさん ・SOLO歩きのすすめ・・・一人で歩いてみたいが、一歩踏み出せない人をサポート
Fさん ・「働く」の相談所・・・働きたいと考えているが前に進めない人を応援する
Iさん ・キエーロを語る会・・・自然に優しい生ごみ処理機「キエーロ」の普及、啓蒙
Sさん ・みんなのユニバーサル・・・少しの工夫で様々な人が便利になる布製品の販売
そのあと、Yさんのプランをみんなでブラッシュアップ。まだ日本では知られていない“ビオダンサ”を、どのように周知していけばよいかという投げかけから、「まずは団体を作って始めてみては」など、様々な提案がなされた。Yさんからは「ワクワクしてきました。やってみます!」とモチベーションがぐっと上がった感想が聞かれた。
その後も意見交換は続き、終わってしまうのが残念と思うほど、楽しくまた興味深い時間を過ごすことができた。今後の事業展開がとても楽しみだ。