選択講座Ⅱ 2021年12月11日 
講師 庄子利雄さん(キャリアコンサルタント)

庄子さんによる講座「地元で仕事を見つけるコツ」に続き、学び直し塾2期修了生の体験談を聞いた。

地元で仕事を見つけるコツ

新たな仕事との出会いに向けて

求職活動にあたって、自分はどういう特性を持っているか何に関心があるかまず自己理解をし、自分に合った仕事やスキルを活かす場としての仕事理解が大切だ。
ハローワークでは、職業選択に役立つ適正評価、適正に合った職業リスト、職業情報の検索などができる キャリアガイダンスシステム を利用できる。
* キャリアインサイト(統合版)

さらに、地方自治体が独自でやっている就職サポートセンターも活用しよう。

シニアの働き方を考える

シニアの雇用形態は契約社員、パート、アルバイト、派遣社員が中心になる。 経験職か未経験職か、フルタイムか短時間か、勤務地は通勤負荷の少ない生活圏か首都圏か、雇用期間は何歳まで働くかを考える。収入目標は、基本生活費に趣味や生きがいなど心豊かな生活につながる費用もプラスしたい。

企業がシニアに期待しているのは、仕事力、人間力、気力、体力だ。経験職の場合は即戦力や単独での課題解決能力、情熱の持続性、未経験職の場合は、どの職業にも共通する基礎能力や常識、マナー、本気度が期待される。

一方、懸念されるのは、PCやIT機器への対応力、新しい職場での職務や人間関係への適応力が挙げられる。

再就職に向けた心の備え

働くことは高齢期の三大不安(貧困、孤独、病気)の解決にもつながり、未経験職へのチャレンジは思わぬ出会いも期待できる。ただし働いてみないと分からないこともあるので、最初から長期雇用期間を求めないほうが良いだろう。

60代、70代と年を重ねて自分を磨いていくと、総合能力(推理力、判断力、発想力など)の高さを維持でき、さまざまな領域での活躍が期待できる。

学び直し塾2期修了生Mさんの体験談 ~ピンチをチャンスに!

Mさんは、電算機器メーカーに就職し、出産退職。45歳で、金融系スタッフ会社に派遣社員としてフルタイム勤務。その後、金融機関の一般職から総合職の営業担当へ。健康のバランスを崩し、定年直前に退職した。

自分を見失ってあちこち探し、ロクマルの学び直し塾にたどり着いた。「自分は探すものではなく作るもの」という講師の言葉に触発され、これから自分を作っていくなら何にもこだわる必要はない、もう少し何かできる、と勇気をもらった。

ハローワークに通い、定期的にキャリアコンサルタントの面談を受けた。ある時、新聞の折り込み求人広告を見て、年齢制限を超えていたが応募したところ、前職での経験を買われて61歳で金融機関にフルパートとして採用された。同時にキャリアコンサルタント資格も取得。現在、意欲的なMさんの存在そのものが、社内で啓発的な役割を果たしている。

「できるときに、できることを、できるだけやる」と語るMさん。講師は、お金と健康と時間のバランスを考えて、合格点と思うところでやるのが良いだろう、と続けた。

年齢や女性ということで自分の動きに制限をかける人は多いが、これまでの人生経験すべてがキャリアになる。自信を持って、生涯現役を目指していこう。