■就活トーク:二見 忍さん

グレイヘアに柔らかい笑顔が印象的な二見さん

二見さんは、定年後就活の大先輩。民間企業定年後に求職活動を経て現在の仕事についています。在職中に産業カウンセラーの資格を取得していたのですが、再就職の道のりは簡単ではなかったそうです。悩んだ二見さんは『シニア・ジョブスタイルかながわ』に相談に行きます。そこでもらったカウンセラーのアドバイスで方向性を見いだせ、今の仕事に巡り合うことができました。

そんな二見さんに、雇用されて働きたいという方に向け、ロクマルからの就活のポイントについて話していただきました。

雇用情勢を踏まえて仕事を考える

横浜ハローワークの6月の有効求人倍率は1.98倍、パートに限れば2.2倍。
求人倍率が高い仕事は、保安(ガードマン)、建設、土木、介護や飲食店の給仕などのサービス業です。
しかし事務職の求人倍率は0.48倍です。東京仕事センターでも、昨年事務職を希望したシニア求職者の就職率は21%でした。
一方で、昨年10月~6月に都内Sハローワークの65歳以上対象の窓口利用者の就職率は88%。

ここにシニアの仕事探しのヒントが見えてきます。希望した職種ではないが働きますと方向を変えた場合は仕事が決まっているのです。「職種に拘ると難しいと覚悟しなければなりません。そして方向転換も考えましょう」と二見さん。

どうやって方向転換をするのか

方向転換と口で言うのは簡単だけれども、今更そんなことできないという気持ちはみんなあると思います。
そこをどうすり合わせて行くのか、どうやれば自分の意識や行動を変えることができるのか。二見さんは言います。「ひとりで考えてもなかなか方向が見えてきません。誰かに手伝ってもらいながら、たとえば相談員の方たちといろいろな話をしながら進めていくことが必要」。
Sハローワークでは、職業訓練を経て違う職種で仕事を見つけるというケースが多くあったそうです。

情報は自分の足で

「外に出て自分の足で歩いて、積極的に自分から情報を取りに動いてほしいのです」。かつては二見さん自身も動いて情報を得たのです。神奈川県も横浜市も支援するための窓口を作っているそうです。職業訓練は無料で受けられます。使えるものはどんどん利用しましょう。

参考(相談窓口)

シニア・ジョブスタイルかながわ:40歳以上ならだれでも。
港北区生きがい就労支援スポット:独自の求人情報がります。相談もできます。
横浜市就職サポートセンターで:相談できます。
※事前予約制のところが多いので、相談に行く場合は確認してください。

就活をあきらめないための4つのこと

1 なぜ働くか、なんのために働くかを明確にする

収入のためや社会に貢献したいなど、いろいろな働く理由があると思います。そこがはっきりしていると、迷ったり問題が起きたりしたときに乗り越えることができます。「少々のことではくじけないと思いますよ」と二見さん。

2 有言実行

「仕事を探していることを周りの人に言いふらしてください。そうすると、求職活動をやめたって言うわけにはいかなくなりますよ(笑)」二見さんの言う通り、なかなか後には引けなくりますね。
家族の協力は不可欠なので必ず話しておくこと。
周囲に仕事を探していることを言っておくと、いろいろな人から情報が入ります。人脈はとても大きい。特に私たちの年代はそれが大きいのでうまく使いましょう。

3 小さい目標を作る

「くじけないために、小さな目標を作りそれをクリしていく。その達成感を持つと自信が持てるようになります」。
例えば、今週は履歴書を一枚清書するとか、ハローワークに何曜日に行くとか、自分が動けばできることを目標にします。クリアできたら「良し!よくやった、では次だ」という感じで、ひとつずつ目標を前に進めていくのです。

4 期限を切る

『12月いっぱいには仕事を決め、1月にはもう働いているんだ』というふうに具体的なイメージをもって動くと、逆算していつまでに何をするかが見えてきます。

人と比べない

あの人は何々ができる、だから私もあれができるようにならなければいけないとか、あれもこれも勉強しなければいけないと焦らないこと。
いま持っている能力、長所、強みにもうひとつ磨きをかけて、そこをうまく生かす。そことは社会人力のようなもので、たぶん若い人たちが持っていないものです。
「未経験の仕事だがこういう気配りができるとか、コミュニケーション能力は高いとか、そういうところを会社側に伝えることができるなら、一緒に働いてもらいたいと思うのではないか」と二見さんは思うのです。

最後に

「不採用の通知をもらうと本当に落ち込みます。自分が否定されたような気持になります。そういうときこそ、何か他の人の手を借りて自分の気持ちを立て直す。ひとりで頭の中だけで考えてしまわないように。絶対道は開かれると思いますので、頑張っていただきたいと思います。」
二見さんからの温かい応援でトークは終了しました。

二見さん自身が定年後に求職活動をして仕事を見つけており、また業務で多くの方の求職活動を見てきているので、トーク内容にとても説得力を感じました。
トーク終了後には、二見さんの用意してくれた資料を多くの参加者が求めていました。

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